管理牧師笹森司祭のメッセージ


                                       
             「誉れ高き人々をたたえよう。我々の歴代の先祖たちを」 「しかし、先祖たちの中には、後世に名を残し、 輝かしく語り継がれている者のほかに、 忘れ去られた者もある。 彼らは、存在しなかったかのように消え去り、 あたかも生まれ出なかったかのようである。 彼らの子孫も同様であった」 (シラ書44:1,8−9)7   
                                         
                             仙台聖フランシス教会 管理牧師
                           東北教区 司祭 アタナシオ 笹森伸兒


                                          (聖フランシス教会 2014年11月号・月報) 
  

「キリスト教会は、先祖を大切にしない」という言葉を、ときどき耳にします。しかし、これはとんでもない誤解です。一人ひとりのクリスチャンが自分の先祖を大切にするように、教会でも、すでに世を去った方々の霊魂の平安ととこしえの光明を祈り、かつ、そのご家族のために上よりの御慰めを祈っています。

 

 私の祖父はシメオン、祖母はよく解らないのですが若いときに受洗していた様子がうかがえます。父はトマス、母はアグネス、先年世を去った兄はベニヤミン、私の双子の相棒は希望の望と書いてまどか。曾祖父は八太郎、曾祖母は梅代。それ以前のご先祖は名前を知りません。でも、祈りや礼拝の中の代祷で、すべてこの世を去った人々のために祈るとき、一時にこれらの名前が魂の奥底から吹き起こってきます。蝋燭も線香もなくてもいつも祈っているから、教会ででも墓地礼拝のときにでも、吹き起こって来る名前、名前、名前なのでしょう。

 

 教会では主日の朝夕の礼拝で、その週に記念日を迎える人のために祈り、記念日になれば、またその人のために、その月、さらにその週のその教会で定められた日に、その月またはその週に逝去記念日を迎えた人々の霊魂の平安ととこしえの光明を祈り、祈り、かつ、そのご家族のために上よりの御慰めを祈っています。

 

 11月1日は諸聖徒日、11月2日は諸魂日で、ですから11月は教会のお盆のような意味を持つ月です。皆さんも教会に行けるときも行けないときも、すべて世を去った人々のために祈っていただきたいと思います。