管理牧師笹森司祭のメッセージ


                                       
                          「主の平和と一致」          
                                         
                             仙台聖フランシス教会 管理牧師
                           東北教区 司祭 アタナシオ 笹森伸兒


                                          (聖フランシス教会 2015年5月号・月報) 
  

 初めて教会に来た人にとって、礼拝は、立つ、座る、跪く、祈?書のページを探してお祈りをする、番号を聞き漏らしても仕方ないけど聖歌を歌うなど、これまでしたことのないことをたくさんさせられます。これは大変なところに来てしまった、理解できないことばっかりだなどと考えるようになってしまうかも知れません。
 けれども、私たちにとっては、聖餐式は、一致のサクラメント、交わりのサクラメント、いちばん大切な礼拝です。聖餐式に参加した人が、戸惑いや拒否反応を起こすなどということは、決してあってはならないことです。ですから教会は、初めて教会に来た人や、まだ教会に慣れていない人のために、アッシャー(礼拝の案内係)の方々に奉仕をしていただきます。アッシャーは礼拝に慣れていない人が信者さんと一緒に礼拝ができるようにお世話する大切な働きをしているのですから、これはすばらしい働きです。オルガニストは皆さんがお祈りをするときにお祈りしやすいようにオルガンで支え、皆が歌うときの歌の支えになるようにオルガンを弾きます。サーバーは、皆が礼拝に参加している間、司祭を支え、会衆を支えて礼拝を手伝います。
 では、オルガニスト、サーバー、アッシャーなど何かの役割を持っている人はすばらしくって、礼拝に参加しているだけの他の人はすばらしくないのでしょうか。そうではありません。聖餐式は、一致のサクラメント、交わりのサクラメントです。サクラメントとは、目に見えない神様の恵みを、目に見える形に現すものです。ですから、「御言葉」のサクラメントによって満たされた私たちが、さらに主なる神様の「御体」のサクラメントに与る一番の最初に、聖堂にいる人が、皆で、心の底から、互いに、「主の平和」に与ることは、それまでどのように説明されても、教えられてもなじめないまま戸惑っていた人に、立つ、座る、跪く、祈る、歌うなどということをすべて超越してしまうことになるのではないでしょうか。
 聖餐式の「主の平和」は、一つの御体に預かり、一つの杯にあずかるように、本当に大切なことと皆で、心から、「主の平和」を祈り合いましょう。