管理牧師加藤主教の説教メッセージ


                       「♪足元の花が見えていますか?♪」
                                               
                             仙台聖フランシス教会 管理牧師
                           東北教区 主教 ヨハネ 加 藤 博 道

主のご復活のお祝いを申し上げます。
 率直に申し上げて、この年度末(3月末―4月)はずいぶんと行事も多く、目の回るような日々でした。しかしそれらはみんな、ある意味での「再出発」に関わるものでした。若松聖愛幼稚園の落成式(3月20日)、仙台基督教会・主教座聖堂の起工式(4月1日)、そして4月6日には釜石神愛幼児学園の落成式と続きます。もちろん大切なイースターの礼拝が守られ、幼稚園の卒園や入園の季節であり、そして長年奉仕された教会の牧師の異動もありました。
 大震災以後の2年間、怒涛の日々であったように感じます。それは当然のことでもあったと思います。「いっしょに歩こう」というよりは「一緒に走ってきた」日々でした。一緒に走ってくださった多くの方々、東北教区の兄弟姉妹、そして日本聖公会、さらには世界の聖公会の祈りと支えに感謝いたします。
 もちろん大震災の甚大な被害から物心両面において、とくに大きな悲しみや喪失の中から、本当に多くの方が癒されないままおられます。そのことを思いつつ、これからは少し落ち着いて、(3月11日の説教でも申し上げたのですが―「聖公会新聞」「あけぼの」に要約あり)「静かにささやく声」を聴いていく、心を落ち着けていく必要もあるように思います。高石友也が歌うフォークソングにおそらくマラソンに参加して作られた詩(訳詞かも知れません)があり、次のような一節があります。
  ♪♪「足元の花が見えていますか?♪♪

 マラソン、あるいはもっとスピードをあげて走っていても、足元の花が見えていない、余裕がない状態というのは、きっと大切なものを見失ってしまうのでしょう。アシジの聖フランシスの生き方にも通じるものがあるかも知れません。二度目の管理牧師となり、定住されている牧師のようにはまったくいきませんが、皆様とご一緒に「足元の花を見ながら」祈りをもって、喜びをもって歩んでいきたいと願っています。
 
 
                     
                   
                                        
                
                                          

                <日本聖公会東北教区主教。仙台聖フランシス教会管理牧師。加藤博道>