管理牧師加藤主教のメッセージ


                           沖縄の旅・主教会
                                         
                             仙台聖フランシス教会 管理牧師
                           東北教区 主教 ヨハネ 加 藤 博 道


 6月の24日(火)から27日(金)まで、定例の主教会が沖縄教区で開催されました。主教会は定例としては1年に3回、その他に主教按手式や特別な場合に集まります。定例の主教会は東京のナザレ修女会で年1回は開催、あとは計11の教区を順番に廻っています。その教区の宣教の課題等がある所、是非紹介したい働き等を訪問する良い機会になっています。もっとも通常2泊3日の日程の大半は会議室に缶詰、数十におよぶ報告や協議事項、それもなかなか簡単ではない多くの課題を巡って協議が続けられます。大変疲れる会合ですが、同時に教区主教という同労者がお互いの状況を知り合い、また日本聖公会としての一致と方向性を確認する重要な場でもあります。とくに今回は夫人同伴が積極的に呼びかけられました。かつて「どうせ主教会なんて夫人同伴で遊んでいるんだろう」と心ない言葉を聞いたこともありましたが、そんなことはありませんし、とくに今回、やはり沖縄の直面している状況を是非夫人方も含めて知って欲しいという沖縄教区の強い希望がありました。日程も3泊4日と1日長くして、その1日は沖縄の戦跡、基地のフィールドワークに充てられました。宿泊した那覇おもろまちのホテル自体が高台にあり、そこは沖縄戦の命運を分けた激戦の丘であったとのこと。普天間基地の見学(もちろん外から)、オスプレーも見えました。基地のために埋め立てが進められようとしている辺野古では全員小舟に乗って海に出て、その状況の説明を受けました。本当に戦っている島という印象を強くしました。
沖縄での話題のもう一つは、沖縄教区が現主教を総会で与えられるまで、主教選出にも難渋し、教役者数、信徒数も少ない中で今後、教区としての将来をどう考えるのかということがありました。しかし教役者数や信徒数の減少や高齢化は沖縄に限らず、全国的な問題です。沖縄教区は小さな教区でしょうが、しかし非常に大きな課題に取り組みながら、独自の歴史と文化をもって大変生き生きとしていると感じました。教区でも教会でもそうなのでしょう。規模の大小の問題よりも、自分たちの現実をきちんと受け止め、逃げずに向き合っている中から、信仰的な力も与えられてくるのだと感じさせられた沖縄の主教会、旅でした。



                                             (聖フランシス教会2014年8号・月報 巻頭)
                             
                
                                       

             <日本聖公会東北教区主教。仙台聖フランシス教会管理牧師。加藤博道>