管理牧師加藤主教のメッセージ


            「右の手のしたことを知らせない?」
                                         
                          仙台聖フランシス教会 管理牧師
                        東北教区 主教 ヨハネ 加 藤 博 道

                   
          
 「施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる」(マタイ6:3〜4)。

 わたしのような謙虚さの足りない人間は、何かするとすぐに人に言いたがります。本を出版する等というのはその最たるもので、自分はこんなことを勉強しましたよ、こんなことを考えていますと、人に伝えずにはいられない、そんな行為なのかと思います。もしかしたら「説教」をするということも、そういう面があるかも知れません。
ですから本当に謙虚な人は聖職になんかなろうとしないのではないかと思います。
(同労者の皆さん、ごめんなさい)。
 とくに東北教区の雰囲気の中には、冒頭の聖句の教えが深く行きわたっているように感じます。
自分がどんなことをしたり、関心を持っているか、ほとんど教会の中では語られないように思います。
何かの機会に偶然ある方のお話を聞いてみると、実は地域でとても大事なボランティア活動をされていたり、
高齢者のための働きをされたり、あるいはとてもユニークな特技を持っておられたりして、びっくりすることがあります。わたしの「不信仰な」意見を言えば、もっと皆自分のことを教会の中でも話したらよいのではないかと思うのです。もちろん自慢するためではありません。でもお互いがしていることや考えていること、自分に出来ることをもっとオープンにして、お互いの賜物をもっと自由に分かち合うようにしたらと。
いかが思われますか?


 
                                    (聖フランシス教会2016年2号・月報 巻頭言)
                             
                
                                       


             <日本聖公会東北教区主教。仙台聖フランシス教会管理牧師。加藤博道>